「誰だ」
目前に立つ男を睨みながらシキは問う 「命の恩人に対して誰だ何て酷いデスネ」
哂いながら男は応える。 それが出会い。 「マタ会いましたネ」
「こいつ等何だよ、おい!」
「オキャクサマですヨ」
短い別れ。 早い再会。 そして招かざる客。 巻き込まれたのはシキ。 巻き込んだのは男。 偶然か、必然か。誰にも分からない。 「お前は一体――何者だ」
無意識に零れたのは問いかけ。 「唯の道化デスヨ」
男はニヤリと笑う。 朱の片割れ、 青の道化師、 二つの道が交差する…… |