蒼く光る場所。
石に覆われ、奈落へと誘える隙間があるばしょ。 支柱のように幾本の人口的な岩が円を描き、一つの土台を囲う。 その中心には一人の少女。 ふわりとしたドレスを身に纏い、長いロッドをてにもつ彼女は膝を突いたまま動かない。 足元にあるのは淡くけれども確かに光っている紋様。 その光は確かなる明かりとなって周囲を照らす。 何を思うのか少女は何も言わず、動かずただ地面に膝を付き続ける。 不意に少女は立ち上がる。 その顔には不釣合いな仮面。 眼を覆われているはずなのに彼女の動きに躊躇いは無い。 彼女はしっかりと前を向き、小さく呟いた。 その小さな呟きは石造りの閉ざされた空間に反響を生み出し、消えていった…… 暗い場所、石と岩に覆われ閉ざされた場所。 けれども僅かな青の光が幻想的な風景を作り出している場所。 その中で一人の少女は立っていた。 赤い髪と緑色の眼、淡い色のドレスを身に纏った彼女は動かない。 そんな彼女の視線の先は掌に乗っている一つの黒塗りのネックレス。 何を思うのか彼女はただそれを見つめ続けた。 不意に背後で空気が動く。 重い唸りに似た声に驚いた彼女は振り向く。 掌から滑り落ちるネックレス。 キーンと甲高い音をたて、石造りの大地へと落ちていったのは――ト音記号の形をしたネックレスだった。 To Be Continued... |